薬事法に配慮してビジネスをするならリラックスなど言葉の使い方に気を付けよう

健康食品や化粧品、美容機器に関するビジネスを始める事業者の数は年々増加しています。そうした中、各事業者は薬事法をはじめとする各種法令を遵守して事業を継続することが求められており、消費者に誤解を与えることが無いよう、言葉の使い方に十分に注意して顧客に商品の魅力を伝えなければなりません。

そこで、ここでは商品の説明や販促活動を行う際に気を付けるべき点をいくつか押さえていきます。

体の組織や心身の働きに関する説明や記述は避けるようにしよう

健康食品や化粧品の販売を始めるにあたっては、薬事法に抵触しないよう、扱う商品が医薬品ではない点に留意した上で目や皮膚といった体の組織に関する説明や記述を回避することがとても大切です。

特に、サプリメントやドリンクなどの健康維持の際に用いられることが多い商品については、担当者が無意識のうちに過剰な表現を使ってしまったり、主観を交えた体験談を広告に掲載したりするリスクが高いため、社内で慎重に商品紹介や広告のあり方について検討しなければなりません。

また、リラックスなど心身の働きに関する用語は、人それぞれの年齢や生活習慣、考え方などに大きく左右されやすく、薬事法の観点から不適切な記述として扱われるケースがあります。

そのため、初めて健康食品や化粧品を事業として扱うにあたっては、前もって医師や弁護士など専門家に相談をして、どのような用語が薬事法の規制を受けやすいか確認したり、誤解を招きにくい方法について従業員全員が学ぶ機会を設けたりすることが大切です。

なお、薬事法は数度の改正が行われており、法改正に合わせたビジネスの手法も考える必要があります。

薬事法について詳しく学べる事業者向けのセミナーに参加しよう

薬事法に気を付けながら健康食品や化粧品に関するビジネスをどのように進めれば良いか悩んでいる時には、事業者向けに行われているセミナーなどの機会を利用するのが有効です。例えば、長年にわたり健康食品や化粧品の販売実績がある企業の代表や幹部、営業責任者などが講師を務めるセミナーは、開業から間もない経営者や、近い将来に起業を考えている人にとって絶好の機会となっています。

また、リラックス効果やリラクゼーション、リラックスタイムといった紛らわしい用語の使い方について、薬事法に詳しい法律家に直接相談ができるチャンスもあるため、主催者のホームページや参加者の体験談を参考にしつつじっくりと有意義なセミナーを探してみましょう。

最近では、健康食品や化粧品の通販事業の需要が高まっていることもあり、時代に即した商品紹介やマーケティングのコツについて学べるセミナーもあり、ECサイトの運営者などの間でも注目が集まっています。その他、参加料金が高めに設定されているセミナーの中には、薬事法に関する様々なノウハウを学べるものが少なくありませんが、主催者の方針で事前予約制で限られた事業者しか参加できない場合もあり、きちんと各セミナーの参加方法を確認しておきましょう。

開業前に薬事法について学べるオンライン講座の受講や資格取得も検討しよう

健康食品や化粧品の通販や実店舗の運営をこれから始めたい場合には、将来の事業計画を考えたり、販売する商品を選定したりする他、薬事法に関する基礎的な知識を身につけることも大切です。特に、顧客に対して自社商品の効果や効能、副作用など誤った説明を行い、万一健康被害が生じた際は、刑事訴追や賠償責任のリスクがあるため、早い段階から対策を行う必要があります。

薬事法について学ぶ方法はいくつかありますが、都合が良い時間を使って自分のペースで学習を進めたい人は、初心者向けのカリキュラムが組まれているオンライン講座に注目すると良いでしょう。例えば、大手の製薬会社や化粧品会社などが携わっているオンライン講座は、薬事法に触れない範囲での広告や宣伝の仕方について効率よく学べることがあり、多くの起業家やベンチャー企業の間で人気が高まっています。

また、オンラインだけでなく数か月に一度の対面形式でベテランの講師の授業が受けられる通信講座もあるため、じっくりと自分に向いているのものを探してみましょう。なお、事業者向けのオンライン講座の中には、開業の際に役立つ薬事法に関する資格の取得を目指せるコースもあり、薬事法の知識がない人も講師のサポートを受けながら資格試験に向けて対策を立てることも可能です。

通販事業のトラブルを防ぐなら代行会社にサイト運営を任せる方法もある

健康食品や化粧品の通販事業に関心があるものの、薬事法に関するトラブルが気になって起業をためらっている場合は、専門の代行会社にサイト運営を任せてしまうという方法もあります。健康食品や化粧品に精通した通販事業の代行会社の中には、法律事務所と業務提携をして定期的に薬事法のチェックを受けているところや、薬剤師など実際に医薬品の知識を持つスタッフが在籍しているところも少なくありません。

また、代行会社によっては、通販事業の経営者に対して、安全に販売が可能な健康食品や化粧品の選び方についてアドバイスをしているところもあり、事業を継続するうえで薬事法に関する諸々のリスクを最小限に抑えることが可能です。

サイト運営を代行会社に依頼する際に掛かる費用は、それぞれの会社の実績やサポート内容によりますが、優秀なスタッフが揃っているところは多額のコストが掛かる傾向があるため、慎重に契約先を決めるのがおすすめです。

薬事法における常温は何度のことか知っておこう

同業他社が扱う商品の広告の表現を参考にしてみよう

リラックスなどの言葉の使い方に注意をしながら健康や美容に関する食品を扱うには、常に最新の薬事法の知識を得るだけでなく、常に相手方に正しく理解をしてもらえるように文章の表現力を高めることも大事です。また、商品説明が難しい時には、同業他社のオンラインサイトやパンフレットで各商品の説明に用いられている表現を参考にするのも良いでしょう。

健康食品や化粧品のビジネスによく使われる決まり文句やアピールポイントについては、ビジネスの専門誌や情報サイトなどでも取り上げられることがあります。

そのため、いざ開業をしてから商品説明で苦労しないよう、日ごろから必要な情報を集めておきましょう。

薬事法に注意しながら事業を進めるうえで大切なこと

健康食品や化粧品の販売事業を長く続けるには、薬事法で認められていない用語や表現を使わないように注意しながら、相手方にとって商品の魅力が良く分かるようにアピールをすることが大切です。また、必要に応じて、事業者を対象とした薬事法に関するセミナーやオンライン講座を受講したり、通販事業を代行してくれる会社を探したりするのも良いでしょう。

参考情報…薬事法ドットコム ... https://www.yakujihou.com/